背景の本質《四分割》

 テレビから聞こえて来た言葉に驚き、私は心の中で小さな叫び声を上げました。
 「 モナリザの背景は、四つの場所をつなぎ合わせたものだった。」
 これは06'05/20フジテレビ系列放映の『 ダ・ヴィンチ=コード ミステリースペシャル 』で紹介された、フィレンツェ大学地質学のカルロ・スタルナッツィ教授が発見された事です。教授はモナリザの背景を独自に研究され、「 モナリザはアレッツォ地方の四つの景色を組み合わせたもの 」と言う結論に達しました。その情熱的な探求心には、感動さえ覚えます。(出1)
 それから後に楕円の発見があり、更に驚く事になるのですが、この瞬間、私なりにモナリザのアウトラインがつかめ、このHPの骨組みが出来上がりました。
 更に蛇足を申し上げますと、
 イボ同様、左右の水位の段差は、モナリザ自身が滝であると言う暗示とともに、「 背景は別の場所をつなぎ合わせたものだぞ。」と言うダ・ヴィンチのあからさまな注意でもあったのです。
 そうするとモナリザは、今まで我々が認識していた以上に、極めて前衛的な絵画でもある事に成ります。そう思うだけで、この絵の見方がガラリと変わって来ます。
 実際、しばしば中国の水墨画にもたとえられるダ・ヴィンチの背景( 遠景 )は、ここでも非常に静的な印象を与え、絵を見ている限り、左右の水位の差を気にしなければ、滝があるようには思えません。ダ・ヴィンチはモナリザの背後に滝を想定していなかったのでしょう。


 「 絵の中心に『 相反するものの統合 』、そして背景の四分割。これはタロットカードの『 世界 』と全く同じ構図だ ……… 」
 右の図をご覧下さい。マルセイユ版と呼ばれる古典的タロットの中の、『 世界 』と言うカードです。ちなみにこのカードは大アルカナカードの最後、21番目に位置します。
 四隅の象徴の中の『 楕円 』の内側で、両極のある棒( 対立の統合 )を両手にした女性が、軽やかに踊っています。
 しかもこの女性は両性具有者で、胸は丸に点。乳房としては描かれていません。また、陰部が布で隠されているのも両性具有の表現だとサリー・ニコルズ女史は指摘します。(出2)

 そして一度でもタロット遊びをした事のある方なら、
 「 何故このカードが『 世界 』なんだろう?」
 と首を傾げられた事があると思います。私は不思議でたまりませんでした。
 「 いったいこのカードのどこが、何故、『 世界 』なのだ?」と。

 『 世界 』の楕円は、明らかにウロボロス、世界の卵です。
 またウィキペディアによると、タロットカードはダ・ヴィンチより100年前の「15世紀前半の北イタリアで製作されたのが始まりと思われる」との事。
 これは面白く成って来ましたよ。当時のタロットの『 世界 』が、どのようなデザインだったか判りませんが、かなりマルセイユ版に近かった? もしや、タロット『 世界 』をデザインしたのはダ・ヴィンチだったとか?
 これは「 いろは歌は空海の作 」と言うのと同様で、それはないでしょうが、ダ・ヴィンチがタロットの『 世界 』を意識してモナリザを描いた可能性は、かなり高いと思います。


 さて、次は重複を避けるため、他のサイトの私のページに飛びます。


(出1)この事は田中英道教授の『 レオナルド・ダ・ヴィンチ 』講談社学術文庫 p281 にも書かれていました。「 それぞれが別々に描かれている。」と。(泣)
(出2)『 ユングとタロット 』 サリー・ニコルズ著 秋山さと子 若山隆良 訳 新思索社


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